der Blaue Reiter

Gallery silencio支配人ブログ。個人ブログも兼ねているため、立ち位置のよくわからないブログとなる予定

Idea 『face to face』

こんにちは。

昨日ご紹介した「Idea」の中でも、ギャラリーシレンシオの世界観を併せ持った素敵な素敵なイデアを本日はご紹介いたします。

 


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『face to face』- Harumi Suzuki -

 

「結ぶ」

をテーマに活動されているアーティスト。

陽規さんの手にかかれば、どんなモノでも全て結ばれ作品へと昇華されます。

 

 

この作品は、大学で学ぶ学友たちとの共有や共鳴に触れたときに、その体験や経験、想いを作品として表現できないかという日常から生まれました。

 

ネットフェイスにそれぞれ表情が与えられているのもそういった理由からです。

 

太さ、質感が違う3種類の金網。

それぞれを1年~3年かけ外で雨ざらしの状態で寝かせ、経年変化を与えた上でノルウェーに古くから伝わる「あるモノ」を用いてフェイスを型どります。

そしてそれらを結び繋げて生まれるフォルム。

勿論、その年数にも種類にも意図が込められていますし、型どりも並大抵の作業ではありません。

 

ところで、雨ざらしの状態で放置するというのは主に木材を乾燥させるときに用いる手法です。

現在では機械により瞬時に乾燥させることが主流ですが、まずは暴れさせてからその後年数をかけ少しずつ乾燥させることで、違う意味と形の年輪を加える。その地道な愛情を木材に与える事で何年経っても色褪せない深みと粘り強さが出ます。

 

以前の記事にも書きましたが、アニミズムっぽい思想ではあるものの、僕はモノや素材にも魂が宿っていると思っていて粗雑に扱うことは絶対にしません。

 

この金網にどこまで魂が宿っているかはわかりません。

 

ですがこの作品、face to face をご覧になれば僕の考えも理解していただけるかと思います。

普通の金網だけでは、この表情は絶対に出せない。

 

 

画像は、照明をつけてないギャラリーの状態で撮影しました。画像加工は一切しておりません。狙い通りのいい絵が撮れました。

 

先述した技法を用い、それを幾重にも重ねあわせることで金網に奥行きがでて靄がかかっているように見えます。それはまるで深海にいるかのような美しいたたずまいです。

 

 

また、この作品はその美しいフォルムが特徴なだけではありません。

 

 

作品の背面を中心から端にかけ緩やかにカーブさせています。そうすることで展示した時のライティングにより様々な表情を浮き上がらせることができます。

 


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これは、ギャラリーを事務所として使用しているときの表情です。事務所使用時の照明はダウンライトですが、この状態でも何か主張しているように見えます。

事務所に来られた方は皆さんしばらく魅入られているのが印象的です。

 

 

そしてギャラリーをオープンした瞬間から、いい意味で妖しいオーラを放ち出します。

 


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こちらは分かりやすいように正面からスポットを当ててみました。

どこからが金網でどこからが陰なのか。

どの顔が実でどの顔が虚なのか。

ドッペルゲンガーのように、この時点で既に作品の世界観に迷い混んでしまいます。

 

 

そしてギャラリーにおいて通常のライティングがこちらです。


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もはや陽規さんが設定した作品テーマは吹き飛んでいます。

線と陰が絡まり合い作品の本体すら判別できません。

 

静から動へ

 

内から外へ

 

自らのイデアを探し求めるために、悩み、苦しみ、仲間と共有共鳴し解放される。

 

色々試しましたがシレンシオにはこのライティングが一番似合っています。

 

 

 

 

この作品は、瓜生山懇親会で一目惚れし即オーダーさせていただきました。

NHKギャラリー、東京芸術劇場での展示を経て、やっとギャラリー・シレンシオに到着。

ギャラリーのドアを開けるとまず飛び込むのがファイヤーウェアの作品たちですが、皆さん必ずこの作品の前で立ち止まります。

今やギャラリーの「顔」と表現しても差し支えはありません。

 

 

 

陽規さんは、新津さんとともに僕が大学生になった初年度から仲良くしてくれて。

ポイントポイントで神アドバイスをくれる大事な大事な先輩です。

 

僕がこの作品をオーダーしてから、多くの申し入れがあったそうです。恐らくは僕の提示金額以上の値で。

 

僕との約束を守ってくださった陽規さんに感謝するのは勿論ですが、この作品をギャラリーシレンシオで展示できること、多くの学友や仕事の仲間たち、お客様の目に触れる機会を与えてくださったことを誇りに思います。

 

陽規さん、本当にありがとうございます。

 

 

 

この作品は是非皆さんに観て感じて頂きたいです。

 

自分はどんな表情をしているのだろうか

 

仲間たちと触れあった時に何を感じ表情として表れているのだろうか

 

内なる自分と向き合いこれからどう表現していくのか

 

 

きっと、自問自答することと思います。

 

 

 

 

ではまた。